N-House 改修 2012年 - 2013年 埼玉県さいたま市 住宅 (S造2F 200㎡) 施工:株式会社 成和 装飾ガラス施工協力:時屋 榎本茂明
築15年ながら代替わりを契機に、この住宅のリフォームを依頼された。依頼主のご要望は、「改修前の暗い和洋折衷の部屋を、明るい洋風の部屋へ変えたい」という事であった。依頼主の50代のご夫妻のお好みは、重厚すぎずモダンなテイストも含むクラシカルな洋風であった。洋風化の考えとしては、和洋折衷住宅にありがちな、曖昧な部屋のつながりをやめて、部屋ごとに独立させることがクラシカルな洋風につながるのではないかと考えた。和室は居間へ、食堂は食堂らしく。洋風化された部屋は、ボーダータイルとヘリンボーン柄の床板や、海外の装飾ガラス、特注の照明器具など依頼主のお好みのものによって囲み単調になりがちな部屋の質を高めた。当計画は競技設計により選定された。
玄関より廊下と奥の食堂を見る。改修前と比べて随分明るくなった。 左の開口からは朝日が入り装飾ガラスが美しく光る。壁は塗り厚の厚い 白グレーの塗り壁とした。玄関床と廊下の床は既存のまま生かす事とした。
居間より食堂を見る。奥に台所。真ちゅう製特注照明器具も設計者による。 南に面する大窓の高窓から間接光が十分に入り明るい室内となった。
改修前は和室。和室の床柱と木張天井はそのまま残した。 中廊下が明るくなるように、ガラススクリーンの間仕切りを新設し、装飾ガラスを入れた。
食堂吹き抜け 右は居間。左は台所。二階の既存手摺は緩くカーブして おりその美しい曲線を強調する為に、白く塗装された木縦格子を取り付けた。 天井は改修前は全面米松の天井であったが、米松材は残し新たな格子天井へ と変更する事により、部屋の洋風化を強調した。
食堂 外には美しい庭がひろがる。 大窓上部には遮光遮熱+視線回避のためにクモリフィルム張。
二階より食堂を見る 食堂吹き抜けを二階から見る。白いボーダータイルとヘリンボーン柄の フローリングが対比的であり。それぞれの部屋の明確な範囲を示す。部屋 はこのクラシックなルールのもとでまとまり、それが洋風化につながるの ではないかと考えた。
二階廊下 二階の既存手摺は緩くカーブして おりその美しい曲線を強調する為に、白く塗装された木縦格子を取り付けた。
台所 食堂より台所を見る。サービスカウンターキッチンを設けた。 右奥に部屋を設け、食器棚や食品庫を設けることで,使用頻度の低い物は 食堂側からはなるべく見えにくいようにした。
洗面所 洗面所は食堂と隣合っており,食堂側も この装飾ガラスが見える。冬の夕方には西から日が射し、装飾ガラス経由で 食堂に美しい光がおちる。
洋室 手前が書斎、奥は寝室
化粧室 タイル、ガラス 多用。
改修前その1 上: 和室だった茶の間より改修後の食堂スペースを見る。 中: 玄関から見た廊下。中廊下は暗い。 下: 居間となる前の和室だった茶の間。
改修前その2 上:食堂の吹き抜け部.手摺にはクモリのアクリル板が張られている。 中:食堂と階段の境の壁は中途半端に開いており階段が一部露出している。 下:食堂吹き抜け。 大窓は明るすぎるのと隣家から丸見えなので常にブラインドが下ろしてあり部屋は昼なのに大層暗い。