築30年の分譲マンションの改装事例である。夫婦のための住宅であることと、それぞれの仕事場＋住宅をつくるという計画である。改装前の間取りは３LDKであり、家族の住む住居としては典型的なものである。それを住み手に合わせ、１LDKのSoho（Small+home/office）的な間取りへと変更した。唯一の個室は防音が施されたピアノ室となり仕事場を兼ねる。LDKのスペースは間仕切りをなくしワンルームとし、その一角を家具で仕切ることでもう一つのコンパクトな仕事スペースを設けた。キッチンも、多少住宅的な仕様から離れる形で業務用に近いステンレスキッチンとして改修された。

キッチン

内装は、Soho空間にふさわしいように、シンプル＋クールな中にも暖かみも持つようにと心がけた。すなわち壁はグレーのクロスと自然素材の白漆喰壁。床はクールな白い磁器タイルと暖かみのあるチーク材の天然木床。というような対比的な組み合わせの素材である。その空間のなかにステンレスやミラー・ガラスなどを加えることで、Soho空間のテイストをさらに強調した。